今日はひとつの選択をしてみた。いつもよりもゆっくり歩くこと。ゆっくり歩いてよく見ることを心掛けた。やっぱり僕は写真を撮っていたくて、そのために物事をよく見ていたい。そのために歩くスピードを落としてみたら、気分が軽くなった。先に書いたことも含むこの街の多様な人のエネルギーもこれには関係していて、こんな色んな人がいる中で自分はどんな選択をしよう、という考えに至ったのだ。僕は写真を撮る。
そしてもうすこしその選択を重ねていくと、どんな写真を撮るか、とかどういうスタイルで撮影していくか、とかいうことを考える。僕は写真はフィルムでしかやらないし(依頼をもらって撮った写真は今まで何度かデジタルでやったけど、今はそれについてもすこし考えている)、白黒しか撮らないし、3年前から使っているカメラのレンズはひとつしか持っていない。今は40mmのレンズしか使っていない、というか持っていないから選択肢がない。その、選択肢がないということ、言い換えると「選択肢を用意しない、という選択」も、ひとつのスタイルだと考えはじめている。もちろん、まだ写真で生活している訳でないからそういうことが言える、ということがとても大きいのは分かっている。けど、そこをどれだけ頑固にやって行けるか、そして食べて行けるのか、というのは僕も自分で楽しみなのだ。これに関しては今後のことを見てもらうしかないから、ぜひ厳しい目で優しく見守っていてください。